そうそう、万博のはなし

 

 

 

万博が終わりました。大変な盛況でした。
万博については、
これまでさんざん悪口を言ってきましたが、
わたしの見通しはまったく誤っていました。
いやいや、面目ありません。

まず、周辺の道路が混まなかった。
これにはほんとうに感心しました。
駐車場を分散させてバスで輸送するというアイデアが
よかったのでしょう。
それから、入場者数が目標の1500万人を大きく超えて
2200万人に達したことにも驚きました。
大成功ですね。

しかし、自然の叡智っていうんですか、
ほら万博のメインテーマがありましたでしょう。
あれはどうなったんでしょうか?

わたしは一回しか行っていないので
きっと見落としたところが多いと思うのですが、
外国館などはどこも観光局みたいで、
テーマに沿った展示なんてひとつもありませんでした。

もちろん、国際交流も万博の大きな意義だと思うので、
自然というテーマから離れちゃだめ、
とまで言うつもりはありません。
しかし、一部を除いて
貧困も飢餓も民族紛争も差別もないかのような
ご機嫌な展示ばかりを見せられると、
さすがにだまされたような気がしてしまいます。

だって、そうじゃありませんか。
自然との共生を考える万博ということで、
国民的な理解を得た(かどうかも定かではありませんが)
はずなのに、
まったくそれとは関係のないテーマでどんちゃん騒いで、
それでたくさん人が集まったから成功だっていうのは、
ちょっとおかしくありませんか?

たとえて言えば、参考書を買うというからお金を渡したら、
すっごく面白いマンガ本を抱えて帰ってきた、
みたいなことですものですから。
みんなが喜んでいたからいいや、といってすますのは
どこかおかしい、と思います。

いつの間にか、新聞も批判記事を書かなくなって
しまいました。
関連の記事は毎日載っていましたが、
内容は、どこどこのパビリオンではアイスクリームが
うまいとか、こういうパフォーマンスをやっているとか、
どこどこから来たムハンメドさんは陽気ないい人だとか、
そういう紹介ばかりです。

そうやって新聞が批判をせず、
ほんの小さな部分を取り上げて「自然との共生を提案した」
なんて記録しておけば、
そりゃ後から見ても記録の上では大成功ということになる
でしょうが、それでいいんでしょうか。
計画中は万博反対の報道の方が受けがよく、
始まってからはヨイショ記事が喜ばれるから書き分けた、
ということなのかしらん。

そうしてみると、万博を総括した上で
あらためてメインテーマを考えると、
「自然の叡智」なんかより
「臨機応変」
あたりの方が、この世紀の大イベントには
ふさわしかった、なんて言ったら
さすがにそれは失礼だよなあ。