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ホワイトバンドプロジェクトというのがある。
くわしくは公式サイトを見てもらいたいのだが、
要するに、世界の貧困を何とかしたいと思っている人は、
その意思の表明として何か白いものを腕に巻こう、
というシンプルな、そしていくらかセンチメンタルな
運動である。
キャンペーンのコマーシャルはたしかに
かっこいいけど、白いものを腕に巻いて、
それで貧困の根絶を願うだなんて、
踊りを踊って雨乞いをするのと同じじゃないの、
と感じたあなた。
あなたの感覚はまったく正しいと思う。
しかしこの運動の背景には、
これまでの、寄付を募りお金を送るという方法では、
ほとんど効果を上げられないという無残な現実がある。
そのことだけは知ってほしい。
かつてアフリカの飢餓を救うために開かれた
チャリティコンサート「ライブエイド」では
なんと280億円ものお金が集まった。
しかしその巨額のお金ですら、
アフリカを飢餓から救うどころか、
先進国への債務の返済のわずか一週間分にしか
ならなかった、という。
このことは、
お金が根付かない体質をそのままにしていては、
いくらお金をつぎ込んでも仕方がない、
という事実をはっきりと示している。
だからこのホワイトバンドプロジェクトは、
白いバンドを売ってはいるが、
その収益で寄付をしようというわけではない。
彼らが呼びかけているのは、
ただ白いバンドを身につけて
わたしは貧しい国を
何とかしてやってほしいと思っています」
という意思を示そう、ということだけである。
自分ではない誰かの力に訴えるという点では、
踊りを踊って雨乞いをするのと一緒、
という面は否定できない。
寄付もせず、同情するだけで「よいこと」をしている
と思いこむなんて調子がいいね、と皮肉る人も多いだろう。
あんなバンドで三百円も取るなんて、
売っている連中を儲けさせているだけじゃないか、
という批判もある。
しかし、ぼくはこの運動を
とても面白いものだと思っているのだ。
こういう運動はこれまでにはなかった。
これは形を変えたデモ行進なのだ。
少し調べれば分かることだが、
世界の飢餓はすべて人災であり、
誰かによって引き起こされたものだ。
ホワイトバンドプロジェクトは、
その貧困を生み、見殺しにするものに対し、
怒りや悲しみを表明しようというものであり、
その場限りのお金を渡すのではなく、
国の政策の変更をうながすことで
飢餓や貧困の構造そのものを
持続可能な形で改善していこうという運動なのだ。
これまでホワイトバンドは200万本売れたそうだ。
すると日本だけで200万人もの人が連帯し、
貧困の撲滅を願って行進していることになる。
デモには遊び半分の人が交じっていてもいいように、
単なるファッションとして身につけている人がいてもいい。
つけていることが当たり前になるくらい、
もっともっと広がるといい。
みんながしているからイヤだ、なんて言わないでほしい。
この運動は、
みんなでしているところに意味があるんだから。
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