嫌いで悪いか

 

好きなことは苦にならず、
嫌いなことが辛いのは、当然である。
好きなことはすいすい進み、
嫌いなことは、うまくいかない。
これは、だれでも同じだし、もちろん
子どもにとってもおんなじである。

一般に、勉強をする子はよい子だと
ほめられがちだけど、
嫌いじゃないことを嫌がらずにするのは
あたり前なのだから、
んなもん偉くもなんともない、
と言えなくもない。

ほんとうに大変なのは、
嫌なことをやることである。
それなのに、
たまたまそれが好きな子がほめられて、
苦痛に耐えながら嫌いなことに取り組む子は、
ほめられない。

机に向かうのが平気な子どもが
勉強するのと、
嫌で嫌で仕方がない子どもが
勉強するのとでは、
同じ時間でも苦痛の度合いがまったく違うのに、
そのことを考えず、
たくさん勉強する子はがんばっている子で、
しない子は怠けている子と決めつけてしまう。
これはむごいよなー。

たしかに
一生懸命勉強している子の横で、
ちょっとやってはやめ、
ちょっとやってはやめてしまう姿は
見ていて腹立たしい。
そんな風に、ぐだぐだしてばかりいる子の
気持ちになるのは難しい。
しかし彼らにとってはそれが、
精いっぱいの努力なのかもしれないのだ。

その子の気持ちに寄り添って、
いっしょになって感じ、
いっしょになって考えるってことは、
こっち側から正論を説くのに比べて
ずっと難しいのだけれど、
せめて、
嫌なことに取り組むってのは大変だよなあ、と
想像するくらいの謙虚さは
なんとか持ち続けたいもんだ、と思う。