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先日、朝日新聞社から電話をもらった。
なんでも、
教育に関する特集記事の取材をしていて、
たまたまぼくの書いた文章が目に留まったとか。
もちろんそんな電話は初めてだし、
こりゃなかなか嬉しいもんだった。
ぼくは、どちらかというと無欲な男、
を自任している。
じっさい、 褒められもせず、
苦にもされずに生きていければそれでいい、
とたしかに思ってきたのである。
ところが どっこいほいさっさ。
そういうわたしが
電話を切って何より先に考えたのは、
こりゃさっそくみんなに自慢しなくちゃな、
ということだった。
まさかというか、やはりと言うか。
どうやら、 ぼくには
名誉欲がなかったわけではなくて、
単に名誉を受ける機会がなかった、
ということらしい。
だからたぶん、
お金のことでガツガツしないのも、
金銭欲がないためではなくて、
ただガツガツするほど金銭がない、
というだけのことなのだ。
もしかすると、
妻以外の女性に見向きもしないのは、
妻以外の女性に見向きもされないからであり、
仕事の上で不当な金品を受け取らないのは、
不当な金品をくれる人がいないから、
なのかもしれない。
滅多に怒らない、なんていうのは、
自制心が強いのではなく、
そもそも怒りを感じていないだけで、
争いを好まない、というのも、
実は勝ち目がないから争う気になれない、
ということなのかもしれない。
だったらそんなもん、
ちーともエラくないよなー。
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