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年末ジャンボを買った。
先日寝るときに三木助の落語「宿屋の富」を聞いていたこともあってか、何だか当たるような気がしてならない。いや、きっと当たる。
それで当たったらどうしようかと、昨日妻とまじめに相談していたのだ。
当てる気もなく買うヤツはいないし、当てる気がある以上、当たってからのことを考えておくのは、当然のつとめである。
戯れ言として言っているうちは南の島に別荘買ってさ、
みたいなことを平気で口にしていられるが、本当に当たったらという思考実験を始めてみたら、これはなかなか恐ろしいことだと分かってきた。
まわりの人に知られたら、きっと羨望が嫉妬に、嫉妬が憎悪に変わるだろう。それを考えると、家族にもお世話になっている人にも日頃親しくしている人にも、やはりいくらかは分けてやらなければならないだろう。
しかし5万や10万渡したら、たった5万か10万かとさらに憎悪が募るのではないか。最初は善意で、やがては恐怖で分けてやったお金が、さらに巨大な嫉妬と憎悪を生み出すのではないか。
かといって誰にも分けず、自分だけで使い切ってしまったら、友人はおろか肉親とも、親しくつき合っていくことはできないだろう。
とすれば、ひっそりと貯金しておいて、どこか後ろ暗いような気分で少しずつ地味に使うというのが一番よいのか。
それならいっそ、寄付でもして…いや、そんなもったいないことはしたくない。ああ。
馬鹿みたいだと思った人は、やってみると分かる。
本当にイヤになってきて、もういいや当たらなくても、という気分になってくるから。ほんとに。
だったら買わなきゃいいって?
いや、無欲で臨めば当たるかもなーっとかさ。
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