ピカピカのいちねんせい

 

 

 

2週間ばかり前に書いて、忘れていた文章である。
完全に時機を逸していることを恥じつつも、
ま、せっかく書いたんだし、
他にこれといった話題も思いつかないし、
4月を総括する意味でも、まあいいのか悪いのか、
ともかく載せちゃえ、ということで。
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いつの間にかウチの子も小学生である。
でね、先日入学式なるものに出たわけさ。

校長先生が
みなさん、ご入学おめでとうございます
と舞台の上から挨拶すると、
一年生は声を合わせて
「ありがとーございます」
と、いちいち返事をする。
しっかり勉強してくださいね、と言うと、
みんなで「はーい」と応える。
いいねえ。

来賓の紹介のときが、またおかしい。
名前を呼ばれた来賓は立ち上がり、
形通りに「おめでとうございます」
とだけ言って座ろうとするが、
一年生諸君がそのたびに
「ありがとーございます」
と応えるから、
彼らも座るに座れない。

みんなが笑った。ぼくも笑った。
笑いながら、

「おめでとう」と言われたら「ありがとう」と答える。
こんな当たり前の返事にあわててしまうほど、
大人は空疎なコトバをもてあそんでいるのだ。
だからこそ、
ことばに向かういちねんせいの真剣さに、
圧倒されてしまったのだろう、と思った。

そして同時に、
彼らが大きくなるにつれ、
いつしかこの関係が逆転して、
大人が万感の意味を込めて語ることばすら、
ふふんと聞き流されるようになるかと思うと、
年齢とともに失ってしまうものの大きさに、
過ぎゆく時間を惜しむような、
哀しいような気持ちになった。