断固として不正をひがむ

 

 

 

雪印食品の解散が決まった。
一部に誤解があるようだが、この会社は「狂牛病のおそれのある肉を安全な肉であるかのように装った」わけではない。
かれらは奇怪なことに「安全な」輸入肉を「危険な」国産肉に見せかけようとしたのである。
国の買い上げ制度を利用して、国から補助金をだまし取ろうとしたこの事件、みんなほんとうによく怒った。
自分の税金が回り回ってだまし取られるところだったのだから、当然か。

ま、それはそれとして。
この事件を取り上げたのは他でもない。
「偽装によって不正に補助金を得る」というイケナイことが、他にもまだまだ行われている! ような気がするからだ。

何の話かというと、雇用保険の「教育訓練給付制度」の話である。
この制度は、漢字が多くて恐縮だが、「雇用の安定と再就職の促進を図る」ために、職業安定所が「教育訓練経費の80%に相当する額」を、自費で勉強する労働者に支給してくれるものである。
パソコン教室やら、英会話スクールなどが、大々的にキャンペーンをしていたから、知っている人も多いだろう。
「30万円の授業料が、自己負担6万円で!」ってなヤツである。

まあ、制度の趣旨は分からないでもないのだが、
冷静に考えると、英語のできない人が週に1回スクールに通ったからとて、一年かそこらのうちにペラペーラになる可能性は限りなくゼロに近い。
だから英語について言えば、この制度の趣旨に沿うのは、「かなりできるがスキルアップのためにもう少し」という、比較的少数の人に限られるはずなのだ。

すると、この制度を利用して英会話スクールに通う人たちの大多数は、「雇用の安定と再就職の促進」などは特に意識せず、なんかトクだから、という感覚で通っている可能性が高い。
もしそうであるならば、いくら言葉で取り繕おうと、これは「偽装」なのではないか。

さすがに厚生労働省もこういう現状に気づいたのか、この春から「初心者コース」を給付対象から外すことを決めた。
それでもスクール側はしたたかなもので、
「4月からは給付が受けられません。今が最後のチャンスです!」と、駆け込み需要でもうひと稼ぎという構えだ。

給付されるお金の原資が、雇用保険料なのか税金なのか、もとをただせば「われわれの」お金であることはおくとしても、
こんな風に制度の趣旨を曲げ、いわば抜け道的に制度を利用するのが得、と考えるのは、ぼくにはいささか品位に欠けるように思えてならない。

確かに零細個人塾を青息吐息で経営する者として、
公的な給付制度を利用できる英会話スクールやパソコン教室やカルチャースクールをうらやましく思う気持ちもないわけではないが、

しかしこれはひがみではない。
断じてひがみではない。
ホントにひがみじゃないってば。