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NHKの「ようこそ先輩」の再放送を見た。
F1レーサーの片山右京。
6年生の子どもたちに、すごい授業をしていた。
体育館の床に本物のサーキットと同じコースを描き、子どもたちひとりひとりに走らせる。
全員が走り終わると、今度はコースを徹底的に研究し、イメージすることを教える。
実際にコースを歩かせながら、どこで減速し、どういうラインを描いてコーナーを抜けるか、完全にコースを把握し、完璧にイメージできるまで研究させる。
そうして行われた2回目のトライアルでは、
おお、クラスの35人全員が、最初のタイムを更新だ!
太り気味で運動が苦手な子も、肢体不自由で電動車椅子に乗っている子も、男の子も女の子も、最初の記録をみな上回ったのだ。 これはすごい!
それでも片山右京は満足しない。
もうひとつ教えたいことがある、という。
それは、集中すること。そしてできると信じて全力をふりしぼることだった。
彼は子どもたちに言う。もっと、おまえたちはできるんだ。
もっとできるんだ。集中しろ、集中しろ。
いいか、できるか、できるか。集中しろ、集中しろ。
彼の顔は、こどもと遊んでいる顔ではない。
真剣さでびりびりして、恐ろしいほどだ。
3回目。
子どもたちの顔がすごい。集中して、力がみなぎっている。
目が一点を見つめている。
いいか、集中しろ、集中しろ。
スタートする。走る、走る、走る、走る。
力をみなぎらせて、走る、走る。
走って、走って、ゴールする。
またタイムが早くなっている。
どうだ、できただろ、と彼は言う。どうしてできたと思う?
「スタートで足が滑ったけど、絶対やろうと思った」
次の子も「きっとできると思ってた」
また次の子も、「集中できた」
その次の子も「コースが全部あたまに入っていた」
そうして子どもたちはついに、
またもや全員が記録を更新してしまったのだ!
全員が、である。
ぼくは片山右京の指導のすごさと真剣さと
人としてのすさまじさに打たれ、
子どもたちができる喜びにはじけながら
いきいきと走っている様子に圧倒されてしまった。
本当に本当に、凄かった。
子どもの力をぐいぐい引き出す片山右京も、
走るたびに成長していく子どもたちも、本当にすごかった。
ほめておだてて得意にさせる、なんていう底の浅いやり方では、あんな風にいのちがほとばしることはない。
やればできるって分かったろ、と彼は言った。
言われた子どもは勢いよくうなずいていた。
あの子はホントに分かっただろう。
自分のすごさに気づいたろう。
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