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森総理をめぐるごたごたを見ていると、なかなか面白い。
どこかユーモラスで、ついニヤニヤと笑ってしまう。
でもすぐに、こりゃ笑いごとじゃないよなあ、と我に返り、 国家の行く末を案じてしまったりするのだった。
政界というところは、ぼくなどがうかがい知ることのできない 複雑怪奇な世界だと思う。
そういう厳しい世界を勝ち抜いてきたのだから、 ああ見えても、森首相はなかなか力のある人には違いない。
確かにぼくたちの国を代表する人として認めるのには抵抗があるが、 それは首相が森さんだからというよりも、 知らないうちに知らない人が首相になっているのが何か気に入らない、という程度の話に過ぎない。
ぼくがこの国の行く末を案じてしまうのは、
原潜の事故に際して反応がトロかったとか、
ゴルフ場の会員権をもらっていたとか、
それを申告していなかったとか、
そういう事実を嘆いているからではないし、
森さんの総理としての資質を疑っているからでもない。
(疑ってはいるがそれが心配の理由ではない)。
そうではなく、この国の情報が作られる過程や、 国民的な合意が形成される方法に、恐ろしさを感じているからだ。
臨時国会における森総理の所信表明演説は 「5年後にはアメリカを抜いて、世界一のIT王国になる」と言う宣言だった。
欧米ではきちんと報道されたこの重要な演説を、 日本のマスコミは、ただ 「ITという言葉が22回も出てきた」と からかうだけだった。
代わりに報道されるのは、ただ失言とスキャンダルである。
だからぼくは思うのだ。
国民をバカにしているのは、森総理ではなく
むしろマスコミなのではないか。
ゴルフ会員権の話だって、 正義ヅラして報道する話ではない。
だってこのタイミングで続けて2件も発覚するのは どう考えても不自然で、ずっと前から誰かがそれを握っていて、潜水艦事故の 失態に乗じてそのカードを切ったのは明らかじゃないか。
こういうどす黒い陰険な罠のお先棒を担いで報道する新聞の、 いったいどこが公正だと言うのか。
そんなこんなで最近ぼくは、森総理が無能で無神経で欲深いという国民的常識を、ひそかに疑っているのだ。
なにしろそういうイメージは、 森総理の仇敵であるマスコミを通じて形成されてきたものなのだ。
無能そうなシーンをたくさん流せば無能に見える。
そんな単純なマジックに、 ぼくらは乗せられてしまっているのではないか。
もしそうであれば、これは独裁国が国家指導者を神格化している手法と何も変わらない。
報道は事実をゆがみなく伝えているのかもしれないし、
事実を恣意的につなぎ合わせて、より無能に見えるように編集しているのかもしれない。
真実はどうなのかは知る由もないが、ぼくはただ、そういう可能性が常にあることを自覚していたいのだ。
民主主義の国に生まれた以上、ぼくたちには権力を監視する権利がある。
だからこれだけは言ってしまおう。
マスコミから目を離すな!
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