2004-09-01 ハリーポッター

 「 ハリーポッター」の最新刊が発売された。個人的には、「20世紀少年」の17巻がいつ発売されるのかという方がよほど気にかかっているが、まあそれはよい。
  ハリーポッターは、初版を290万部も刷ったという。ふつうの本は、2千部とか3千部がいいとこだろうし、580万部も売れた「窓際のトットちゃん」ですら、初版はたしか「思い切って2万部」だった。出版社にとって売れ残り(返品)は死活問題だから、売れてほしい部数ではなく売れるに違いない部数しか刷らないのである。そういうことを考えると、いかにハリーポッターの部数が桁外れであるか分かる。単純計算で言うと、全国に書店は1万店くらいだから、町のちっこい本屋も含め、一店あたり300冊ものハリーが並ぶわけだ。そして内容も知らないまま、面白いだろうという期待だけで4200円ものお金を払う人が、100万人だか200万人だかいるってんだから、すごい。膨大な本が、開梱すらしてもらえずに返品されていることを思うと、まるで奇跡のようである。
  しかし、何だねえ。みんなが同じアイドルに夢中になったり、同じ映画に押し寄せるっていうのはまだよいとして、ひとつの本に殺到するってのは、どこか気持ちが悪い。本というのはみんなで楽しむものじゃなくて、もっとパーソナルなものだろう。本を読む快楽はつまるところ、自分だけが知っている、という少数者の愉しみ、だと思うんだけどなあ。