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2004-07-21 ミミズ
その日もとても暑い日だった。小学校の3年生くらいの男の子が、ランドセルの肩に親指をはさみ込んだままの格好で、一点をじっと見つめたまま、舗道の真ん中に突っ立っている。ちょうど下校の時間で、何人もの子どもが彼の脇を通り過ぎて行く。彼のまわりだけ時間が止まってしまっているようだ。
彼をとりこにしているのは、からからに干からびたミミズの死骸である。どういう具合でそんな形になったのか、舗道の真ん中で、まるで蛇が鎌首をもたげたように首を起こし、空を見上げている。その子はよほど気になると見えて、その半身を起こした奇妙なミミズを、たっぷり一分間も眺めていた。が、やがて飽きてしまったのか、そいつを生け垣の下にぽん、と蹴り入れると、何もなかったようにぷらぷらと立ち去ってしまった。
ふーん。面白いもんだ。あんなに見とれていたのに、ぽんっと蹴っちゃうんだな。ぱっと駆け出さずに、ぷらぷら歩いちゃうんだな。
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